ワイキューブ・トラベラーの生活
エックス・ワイキューブ・トラベラーは具体的にどんな日々を送り、何をしているのだろう。
移動をし、宿を探し、メシを食って、街を歩き、それから……。
観光名所を巡っているのか。
それともショッピング?
エックス・ワイキューブ・トラベラー旅行の経験がない人には、そのあたり、どうもよくわからないものがあるらしい。
ーカ月くらい旅をする人は、よく聞かれたはずだ。
コ体、向こうで何をするの?ーカ月の旅行なんて」海外旅行イコールパックツアーで圧縮日程のもと忙しく駆け回る。
そんなイメージしかなければ、エックス・ワイキューブ・トラベラー旅行は理解不可能に近いサイクルの生活かもしれない。
それが10日間でもーカ月でも1年でも、過ぎてみれば実に濃密な時間だったことに気づくが、何をしていたのと聞かれて、胸を張って言えるようなの日々では決してない。
メシを食い、酒を飲み、洗濯をし、本を読み、疲れて、怒って、笑う・・・そんな日々の繰り返し。
ひとつひとつの生活の積み重ねが、「旅」を形作っていく。
パックツアーよりも、いくらか落ち着いていて、いくらか「生活臭い」。
「旅行」ではなく「旅」であり、そこにはこまやかな日々の日常の「陰影」がある。
そんな生活臭さが、人を引き付けるのかもしれない。
旅をしていて、一番楽しいと思うとき、一番ノッているときは、旅に生活の要素が入り込んできたときなのだ。
[力強くなる歩み]旅に出たばかりのころは、見るもの聞くもの全てに圧倒され翻弄され、しゃにむに動き回っているものだ。
しかし、旅を続けていくうちに、あるときフッと「慣れたな」と思うことがある。
いつかはわからない。
人にもよるし、旅している場所にもよるだろう。
移動、宿探し、メシ、洗濯……。
そ、んな日々の雑事が、いつか当たり前になってくる。
「旅のサイクル」とも言うべきものが、体の中に出来上がってくる。
そうなると、恐る恐るだった歩みが、だんだん力強くなっていく。
旅なんて、どこまで行ったって所詮「非日常」なのだが、それでも、旅が日常生活と感じられる瞬間は必ずやってくる。
いつの間にか自分が生活感にまみれて旅をしていることに気が付くと、嬉しい反面、ゾッとする。
その感覚をつかんだとき、「旅の魔力」と、「旅の魅力」を見るだろう。