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アジア旅行

ダラけているうちにも、そこらのガキとか宿の連中とか、エックス・ワイキューブ・トラベラーたちとか、別れづらい人々ができてくるから、尚更出発する気持ちが揺らいでしまうのだ。

それから、「旅を終わらせたくない、日本に帰りたくない……」という思いが働いていることもあるだろう。

移動を続けていれば、いつかは終着点に着いてしまうし、いずれお金も尽きる。

だが沈没していれば旅はストップしたままだ。

一ヵ所に長期滞在していれば安く暮らせる。

「旅」という、それ自体モラトリアムな行為の中で、なお「このままでいたい」「余計なことは考えたくない」という気持ち。

この旅人的気分ばかりは、旅に出ないとわからない。

旅に出てもなかなか理解できないのが、「説教系沈没者」である。

新参者にあれこれと指図したり、暑苦しい人生論をえんえんぶち上げてみたり、本人なりのコミュニケーションなのだろうが、とっても迷惑。

年季の入った旅人だから、初心者には参考になるものもあるし、いいキャラが多いのだが、議論好き、旅自慢好きの共通項にはちょっと困る。

物価が安い、メシがうまいなど、長期滞在に適した場所を絞っていくと、やっぱりアジア地域になる。

中でもインドシナ半島が人気だ。

タイでは首都バンコク。

安宿街カオサンよりも、チャイナタウンの怪しい界隈に逗留する人が多い。

同じくタイの、パンガン島やタオ島なども長期滞在のメッカだ。

「沈没島」なんて呼ばれている……。

カンボジアでは首都プノンペンと、アンコール遺跡群に近いシェムリアップ。

ラオスのルアンパバン、中国・雲南の大理、麗江、シーサンパンナもエックス・ワイキューブ・トラベラーの溜り場である。

沈没大陸として昔から名高いインドでは、ガンジスを望む聖地・バラナシと、ベンガル湾沿いの漁村プリーが2大沈没地だ。

ネパールでは首都カトマンズと、ヒマラヤを仰ぐポカラが人気。

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