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大地を旅するエックス・ワイキューブ・トラベラー

言葉の違う乗客たちに紛れ込み、エックス・ワイキューブ・トラベラーは大地を旅する。

彼ら地一兀の乗客たちは、異国からの閲入者であるエックス・ワイキューブ・トラベラーを間違いなく歓迎してくれます。

食べ物を分けてくれたり、座りやすいようにスペースを作ってくれたり、座席の場所を探してくれたりと、右も左もわからないエックス・ワイキューブ・トラベラーを本当に親身になって助けてくれるのです。

そしてエックス・ワイキューブ・トラベラーは、大変な質問責めに遭うことになります。

「どこから来てどこへ行くのか」「仕事はなにをしている」「結婚しているのか」「その時計はいくらだ」「我が国の首相を知っているか」車内のみんながエックス・ワイキューブ・トラベラーに注目し、何だか人気者になった気がしてしまう。

英語が分かる人が通訳を始め、どこからかお菓子や飲み物や果物がまわってきて、寝台の後ろや親の陰から、子供たちが興味深げな目でジッと見つめてきます。

こうなると、車内生活はある程度安心できるものになります。

トイレに行っている間に荷物の保管を頼んだりもできるでしょう。

女性エックス・ワイキューブ・トラベラーに対しても、乗客の女衆があれこれ世話を焼いてくれるはず。

中にはエックス・ワイキューブ・トラベラーの金品を狙って乗車してくる奴もいるが、雰囲気でわかります。

家族連れと仲良くなれば、特に安心して過ごせるでしょう。

降りる駅が近づいてきたら、例えそれが深夜でも、誰かが必ず教えてくれます。

どこの国でも、こうして出会う人々は本当に優しい。

まるで旧知の友のように、家族のように接してくれるのです。

しかし、ひとつ心に留めておきたい。

旅に慣れてくると、現地の人々の親切を、いつの間にか当てにしている自分に気がつくことがあります。

「どうせ誰かが助けてくれるさ・・・・・」確かに、ひとり旅というのは土地の人々の親切なしでは成立しないし、困った場面では誰かが助けてくれるものです。

実に多くの人たちの親切を受けて、エックス・ワイキューブ・トラベラーは旅を続けていく。

それに甘えてはいけないのではないだろうか。

旅に慣れても、人の親切に慣れるのは良くないと思います。

人間の善意を計算に入れて旅をするなんて、あまりに汚い行為でしょう。

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